3.アーネストワンなどのパワービルダーは、なぜ安値で新築一戸建を建築出来るのか?
「何故、こんなに安く新築一戸建が販売できるのか?」
「こんなに安いのでは、手抜き工事なんじゃないの?」
「こんなに安いのでは、どうせ欠陥住宅なんじゃないの?」
と考える人は多いと思います。
ここからは、パワービルダー系の新築分譲住宅の安さの秘密を解説していきます。
3-1.アーネストワンなどのパワービルダーは、土地を安く仕入れている
パワービルダーに限らず、世の中の「不動産会社」は、土地を一般の相場よりも安く仕入れなければビジネスになりません。
例えば
土地の周辺相場が坪単価60万円で売買されているエリアを一例でご説明します。
この位の相場のエリアであれば一般的な不動産会社やパワービルダーでは、坪単価45万円以下で土地を仕入れなければビジネスなりません。
例えば、
≪エンドユーザーが土地を購入する場合≫
土地面積35坪×坪単価60万円
=土地価格2100万円
↓
≪パワービルダーが土地を仕入れる場合≫
土地面積35坪×坪単価45万円
=土地価格1575万円
Q1:何故?土地を安く仕入れできるのか?
A1:即決でスピーディーに購入するから安い土地の情報が集まる
不動産会社には、エンドユーザーと違い最新の売却物件情報が集まります。
安い物件情報があれば不動産会社は、エンドユーザーに売地情報を紹介しないで不動産会社が自ら土地を買取りします。
必然と購入(土地仕入れ)の決断が早いパワービルダーに売地情報が集まります。
従って残念ながら安い土地情報がエンドユーザーの目に留まるということは殆どありません。
A2:エンドユーザーでは購入しきれない大きな土地を安く仕入れる
例えば、面積300坪の広大な土地の場合
300坪×坪単価60万円
=土地価格1億8千万円
一般のユーザーは、これほど広く高額な土地を一括で購入できる人は殆どいません。
(ニーズが無い)
不動産業者やパワービルダーは、このように一括では、高額過ぎてニーズが無い土地を割安で仕入れます。
例えば、
この土地を1億円への値下交渉が成功した場合
1億円÷300坪
=坪単価33.3万円
なんと相場の半額近くの価格で仕入れた事になります。
この300坪の土地を単純に30坪ずつ10区画に分割すると1区画30坪あたりの原価が999万円の物件となります。
※開発道路や造成費などの経費は考えない場合の計算です。
このように「一建設」や「アーネストワン」などの「パワービルダー」は、豊富な資金力で広大な土地を割安に仕入れています。
しかし、土地が広ければ良いという訳ではありません。
「一建設」や「アーネストワン」のような「パワービルダー」の特徴として100棟以上の大型プロジェクトは、完売までの期間が長期に亘り売れ残りのリスク(借入金利負担)を考えて、あまり好んで手を出さないのも特徴です。
従って、これらのパワービルダーは1棟から15棟現場くらいの小規模分譲が多いのが特徴です。(ミニ開発)
3-2.建築原価のコスト削減を極限まで追及している!?
「利は元にあり」という言葉があるようにパワービルダーは、建築原価を徹底的に抑えることに躍起です。
世界のトヨタ自動車もネジ1本にいたるまでコスト削減に拘っている事と同様です。
パワービルダーは、年間数千棟も新築一戸を建築して販売しています。
このスケールメリットを活かして、建材や設備の仕入価格を極限まで安値に抑えています。
「この建物総額の原価は、いくらなのだろう?」と建売住宅の購入を検討していれば誰が疑問に思います。
結果から言いますと、パワービルダーの建物の原価は、各会社により異なりますが2階建で900万円位と言われています。(推定)
以前は、800万円前後の原価だったようですが、建築資材や現場人件費などの高騰で原価が900万円位までUPしたようです。
しかし、飯田グループホールディングス株式会社の持ち株会社を設立して建材などの仕入れを統一する事により、更なる建築原価の削減を実現させようとしています。
「えっ~新築一戸建が900万円位で出来るの!?」
「そんなに安いのでは、欠陥住宅なのでは!?」と思う人は、少なくないと思います。
以前、私の知人で創業70年の地元工務店に、「一建設と同じ仕様と同じ延床面積で建てたらいくらかかるか?」と見積依頼をしたことがあります。
中小の工務店では、最低でも1200万円~1300万円はかかるという結果になりました。
パワービルダーでは、900万円位で出来る建物が街の工務店では、1200万円~1300万円もかかる・・・
何故、400万円位の価格差が出来るのでしょうか?
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